「職業紹介・職業体験」シリーズ 第3弾「職業体験」イベント実施 編
どうも、ボリすけです!!
勢いでブログをはじめることにした令和2年の幕開け。
現役の協力隊員が、現地でのリアルな活動をバンバン紹介していきます。
今回は2019年12月に実施した、「職業体験」イベント実施 編!
~前々回~
・「将来の夢」がないラオっ子が多いことに衝撃をうける
・「職業体験イベント」を思い立つ
・でもその前に「職業紹介」で仕事への関心を高めよう
~前回~
・職業紹介イベントを実施
→仕事や夢についての意識を高めた。
そして今回は、本題の「職業体験:天然染色」!!
では、さっそく当日から。
事前準備
当日のメンバー:
・子どもたち約50人
・CCCスタッフ
・先輩(コミュニティ開発隊員)
・ウアイ・チャップ(生産者さん)
・遊びに来た同期2人
この日は、同期2人が遊びに来てくれた(コミュニティ開発隊員とデザイン隊員)。
「先輩とこんな企画してるんだー」って話したら、「行きたい!」ってことで、見学かねてサポート役をしてくれることに。
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なんと、そのうちのひとりは、ボリすけのゴッドマザーこと「ラオスのラオ子。」!!
彼女も同イベントをブログ記事にしてくれてるので、興味があればこちらもぜひ!!
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ビエンチャンから来た同期2人は、前泊して一緒にチャリでCCCへ。
同県ラクサオから来たウアイ・チャップも、スタッフに前泊先へ迎えに行ってもらい、
9時過ぎにCCC到着。
現地から持ってきてもらった材料を確認したり、
染色用の布を一人分の大きさに切ったり、といった軽い準備。
9時半ごろからスタート。
ラオスの伝統技術おさらい
はじめに、先輩とウアイ・チャップのあいさつから。
「今日は、こないだやった職業紹介につづいての職業体験。
ラクサオから天然染色の生産者さん、ウアイ・チャップに来てもらったよー。」
「こんなことを意識しながら取り組んでみてねー。」
・ラオスの伝統技術である染色について知ってもらうこと
・自分の将来の職業について考えるきっかけにしてもらうこと
先輩はたまに遊びに来てくれることもあるんで、子どもたちとも顔なじみ。
生産者さんとは、ぼくも初めて会ったんだが、すごいおっとりして和やかな雰囲気の方。
2人の仲のよさが伝わってきて、素晴らしい。
あいさつに続いて、ラオスの伝統工芸についての軽い発表。
「ラオスにはどんな伝統工芸があるか知ってるー?」
・竹編み
・木彫り
・機織り
「女の子はいつも着てると思うけど、
ラオスの伝統衣装のシン(女性用巻きスカート)も、伝統技術だよねー。
地域や民族によって模様が変わるからおもしろいねー。」
「そして、天然染色もラオスの伝統工芸のひとつ。
主に樹木や植物を原料にして、さまざまな色をつくりだすんだよー。」
実際に染められた布を見せてあげたり、ボリカムサイ県のシンを見せてあげたり。
そんなところで、発表は終了。
つづいては、材料の紹介や流れの説明から、いよいよ実践。
天然染色の実践
ここからは、ウアイ・チャップの本領発揮。
「今日はこんな材料を持ってきたよー。」
・天然染色の原料:花梨(ピンク色)、ドークカラオ(灰色)、ウコン(黄色)
・染色用布(色が染み込みやすい布)
・石灰(色の付きをよくする)
・ミョウバン(色の付きをよくする)
・酸化水(色を濃くする)
・炭(火を焚く)
・輪ゴム(布に模様をつける)
・ビニールひも(染色後の布を干す)
・洗濯洗剤(染色前に布をきれいにする)
つぎに、天然染色の方法、流れについての簡単な説明。
・25cm四方の布を一人に一枚配布する
・輪ゴムを使って布を縛る(模様づくり)
・天然原料を煮て3種類の色を用意する
※色:ピンク(花梨)、灰色(ドークカラオ)、黄色(ウコン)
・各自3色から好きな色を選び、布を煮て染色する
・染色した布を取り出し、水洗い後、広げて乾かす
そんなところで、さっき切った布をみんなに配って、
輪ゴムを使った模様づくりからスタート。
当然みんなやり方がわからんため、先輩と同期も手伝ってくれて、
縛り方をみんなで勉強(布を細長く丸めて、5か所くらいを輪ゴムで縛るって感じ)。
みんな一生懸命、どんな模様になるかは、染めてからのお楽しみ。
輪ゴムを縛ったら、汚れをおとすために、洗剤を少し溶いた水に入れておく。
つぎは、原料を煮出して色をつくるところ。
・七輪で火を焚いて
・鍋に原料と水を入れて
・ひたすら煮だす
なぜか火の弱い七輪があったんで、近くの石場で即席かまどをつくることに。
(こんな小さいハプニングはあるある。)
スタッフも子どもたちも、動揺しないのが頼もしい!
材料は入れる前に、下ごしらえ。
・花梨とドークカラオは、小さく割っとく
・ウコンは、洗って皮をむいて輪切りにしとく
そこで、またの小ハプニング。
花梨の木の皮、それを袋から取り出すと、大量の(マジで大量の)アリが!!
そんなのには慣れっこのラオっ子たちも、これにはびっくり!!
とはいえ、それも一時ですぐに落ち着き、ほうきで一掃。
それでも、アリたちが体を登っていく気持ちわるさには気をとめず、
もくもくと小さく割っていくのが、頼もしい!
そんなこんなで、材料の下ごしらえ完了。
さっそく、鍋に入れて煮出してく。
たまにかき混ぜながら、ひたすら煮出す。
ちょっと想定外だったのが、この煮出す作業にわりと時間がかかったこと。
予定では、午前中に染めて干すところまで終わるつもりだったんだが、
あんまり色が出てこない...
そこで、配属先の了解を得て、午後へと続行。
お昼ご飯を食べつつも、鍋の様子をうかがっとく。
あと、洗剤水につけといた布たちも、
昼前には水で洗って、少し天日干し。
そして昼過ぎ、ウアイ・チャップが試し染めをしてみて、オッケーサイン。
ようやく、色の準備が完了!
自分の布をもって染めに来る子どもたち。
「何色にしようかなぁ...」
はじめは様子をうかがいつつも、
ひとりが鍋に入れ始めると、みんな堰を切ったように次々と投入。
少しかき混ぜながら色を浸透させてく。
とはいえ、数十秒も入れとけば十分。
トングで拾って、ボウルでちょっと冷ます。
ここでミョウバン水に入れると、色が付きやすくなるとのこと。
最後に、輪ゴムを外して天日干し。
乾いたら完成!!
結構、模様がくっきり出るのがおもしろい!
楽しかったみたいで、「もっとやりたい!」って子が続出。
ちょっと多めに準備しといた布も、早々に品切れ...
子どもたちは頭がいいし好奇心も素晴らしい。
・輪ゴムの縛り方を変えてみたり
・布を煮る時間を変えてみたり
・一度染めた布を別の色でまた染めてみたり
独自の風合いを出していた。
試行錯誤をかさねて、「自分の作品」ができることを喜ぶ子がいっぱいいたのも、
すごい微笑ましい。
子どもたちに体験してもらうことで、
普段なじみのない仕事を知ってもらうと同時に、
実際にやってみてわかる楽しさや難しさを感じてもらえたと思う。
~ちょっと所感~
ラオスの子どもたちに、将来の仕事について考える機会を持ってほしいという思いから、今回の職業体験イベントの実施に至った(その前段階として職業紹介イベントも実施)。
この活動では、仕事や将来の夢についての意識付けを事前に行っとくことで、子どもたちはこの体験をより「職業」として捉えることができたのではないか!?
と思いたいんだが、正直なところ、「いつもよりも面白い活動」どまりだった感もある...
とはいえ、伝統技術に関心を持ってもらうこと、将来の職業について考えるきっかけづくり、としては充実したかなと思う。
また、この企画は配属先スタッフにも好評で、体験型のため子どもたちも楽しく学べる活動であったとのこと。
加えてスタッフ自身にとっても、実際の生産者から話を聞くことができる興味深い体験になったと話している。
「職業体験」は子どもたちの情操教育に有効な活動として、新たな体験を繰り返し行うことで、さらに「職業・仕事」への意識を高めていけると思う。
ただ、CCCの子どもたちは、6~18歳と年齢の幅もあり人数も多いため、工程がわかりやすく大人数で同時に進めやすい体験企画が求められる。
配属先とも必要に応じて相談し、新たな企画に繋げる。
ってなかんじで、
3回にわたった「職業シリーズ」を締めさせてもらいます。
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そして最後に、
今回のイベントに協力して頂いた、
・先輩
・ウアイ・チャップ
の2名はもちろん、
・配属先スタッフ(資金負担・材料準備、当日サポート)
・JICAラオス(資金援助)
・同期隊員2名(当日サポート)
あらためて、ありがとうございました。
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そろそろこの辺で。
ではまた!!