ボリすけの協力隊活動 in ラオス

現役の協力隊員がリアルな活動を紹介

「職業紹介・職業体験」シリーズ 第2弾「職業紹介」イベント実施 編

どうも、ボリすけです!!

 

勢いでブログをはじめることにした令和2年の幕開け。

現役の協力隊員が、現地でのリアルな活動をバンバン紹介していきます。

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今回は2019年11月に実施した、「職業紹介」イベント実施 編!

 

前回の復習。

・「将来の夢」がないラオっ子が多いことに衝撃をうける

・「職業体験イベント」を思い立つ

・でもその前に「職業紹介」で仕事への関心を高めよう

 

今回はその第一ステップ「職業紹介」について。

では、さっそく当日から。

 

 

仕事とは何か、なぜ仕事をするのか?

 

この日の子どもは40数人。

いつも通り、午前中に実施。

 

「今日は仕事(将来の夢)について考えてみよー!

 みんなのお父さんお母さんも、仕事をしてるよね。

 でもそれってなんで!?」

 

こんな問いかけでスタート。

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そして、こんな感じでアイスブレイク。

 

「これを説明する前に、まずはみんなにアンケート。

 今の時点で知ってる仕事を、この紙に書いてみてー!」

 

ひとりずつに書いてもらおうと思ったんだが、

「小さい子はわからないから、グループにした方がいいね」とのスタッフの意見、

まぁそう言うならと、5グループに分かれて考えてもらう。

 

「例えば、自分の親とか親せきとか、

 身のまわりにいる人がどんな仕事をしてるか思い出してみよう。

 間違ってもいいから、できるだけ多く書いたグループの勝ち!!」

 

すると、みんな「あれもあるよ、これもあるよ」って話しながら、一生懸命考えてくれる。

思ったよりいっぱい書いててびっくり。

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7分くらい経ったところで結果発表。

 

~結果~

グループ1:27こ

グループ2:45こ(勝ち!!)

グループ3:42こ

グループ4:30こ

グループ5:16こ

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一番多かったグループ2の回答

うまく数をかせいでた言い方。

・~する人(歌を歌う人、踊りをする人、トゥクトゥクを運転する人、など)

・~を売る人(肉を売る人、携帯電話を売る人、服を売る人、など)

 

個人的におもしろかったのは、

・氷を作る人(日本人じゃ出てこないね)

・学生(これも仕事か)

 

~ちょっと余談~

ラオスの仕事は、商店街みたいなイメージかも。

「総合的にこのジャンルを請け負ってます」じゃなくて、

「この仕事を専門でやってます」って感じ。

電気屋じゃなくて、エアコン屋とか

・スーパーじゃなくて、肉屋・魚屋・果物屋とか

車屋じゃなくて、修理屋・洗車屋・車用エアコン屋とか

~~~

 

それから、人気な仕事はこんなところかなって確認。

・学校の先生

・市場や商店の売り手

・医者や看護師

・警察、軍関係

・役所関係

などなど。

 

「それじゃあ、何でみんな仕事をしているんだろう?」

「お金をもらうため。」と子どもが答える。

 

「そう、お金がないと生活しづらくなっちゃうね。

 もしお金がなかったら、みんなの生活はどうなる?

 食べ物も服も、必要なものを買えなくなっちゃうよね。」

 

「みんながお菓子とかジュースとかを買えるのも、

 お父さんお母さんが仕事をしてもらったお金なんだよ。

 だから、感謝して大事に使うようにしよー!」

 

こんなところで、出だしはオッケー。

 

ラオスで一般的な職業、日本で一般的な職業

 

「みんなに書いてもらったように、

 ラオスでは、自分たちで何かを作ったり売ったりする仕事が多いかな。」

 

例えば、

・農業で米・野菜を作ったり

・商店で物を売ったり

・工場でいろんな物を作ったり

・伝統工芸品を作ったり

 

「それじゃあ、日本ではどんな仕事が一般的なんだろう?」

・会社に勤めるサラリーマン

・市役所などの役所関係

システムエンジニア

・農業や漁業など

 

「東京とかの大きい都市では、毎日会社に勤めるサラリーマンが一般的。

 もちろん日本でも、農業、商店、工場、伝統工芸とかもいっぱいあるんだけど、

 ラオスに比べて、日本では様々なサービスの提供が仕事であることも多いんだよ。」

 

「実際、ぼくも日本では、国際物流で貿易の仕事をしてたんだけど、

 これも日本と外国の会社をつなげるサービスの会社って言えるね。」

 

そこで、日本のオフィス街や、仕事の様子を見せてあげる。

「へぇー、でっかいビルがいっぱいあってすごいねー。」

「人がこんなにいるんだぁ、部屋も机もすごいきれー。」

「みんなおなじ服(スーツ)着て仕事してるんだねー。」

 

それから、ちょっと関係ないかもだけど、

オートメーション化された食品工場を、you tubeで見せてあげた。

 

「全然人がいないんだね、全部機械が作ってるみたい。」

ちょっと反応は薄めだったけど、みんな興味深げな様子。

 

みんなの両親はどんな仕事をしてる?

 

「つぎに、みんなのお父さんお母さんは、どんな仕事をしてるかを書いてみよう。」

 

思ったよりも、親の仕事を知ってる子が多くて、素晴らしい!

といっても、職業の単語くらい(先生とか、従業員とか)。

 

やっぱり、CCCの子どもたちの親は、

いい仕事をしてる人が多めかも。

 

・警察、軍関係(お父さん)

・役所関係(主にお父さん)

・学校の先生(お母さん)

・店で物売り(お母さん)

・従業員(どっちも)

 

ラオ人はなにかしらの「共働き」イメージが強かったんだが、

お母さんが「主婦」の子も何人かいたのが、新しい発見。

 

将来どんな仕事がしたい?

 

最後に、このイベントの締め。

「自分の将来の夢、どんな仕事がしたいかを書いてみよう。」

 

ラオスの子どもたちは、将来の夢について考えることがほとんどないんだってね。」

「日本の子どもたちは、幼稚園や小学生のときから、将来何になりたいかをよく考えるんだよ。

 だから、なにかしらの夢がある子が多いんだー。」

 

「みんなもこの機会に、自分がどんなことに興味があるのか、

 どんな仕事がおもしろそうか、ってことを考えてみよう。」

 

「もし、思いつかなくてもオッケー!

 これから好きなことを見つけていけば大丈夫!!」

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こんなふうに書いてもらった中で、大多数がこの4つ。

・先生になりたい

・お医者さんになりたい

・店で物売りになりたい

・警察、軍関係になりたい

 

(正直なところ、みんなカンニングし合って書いてた感もある。)

 

その他で珍しかったのがこの2つ。

・サッカー選手 1人

・勉強をつづけたい 1人

(・記載なし 3人)

 

スポーツ関係で唯一あったのが、このサッカー選手。

ラオっ子たちは、わりと現実的なのかな!?

リアルな安定職が人気みたい...

 

こんなところで終了。

所要、1時間半くらい。

 

 

~ちょっとした考察~

子どもたちに「知ってる仕事アンケート」をしてみて思ったこと。

それは、数のわりにバリエーションが少ない...

 

自分の身のまわり、普段の生活で関わったことのある仕事、しかなかった感じ。

「当たり前っちゃ当たり前、大人が偉そうに言うな」って思われるかも。

だけど、正直こう思ってしまったことこそ、大事なのかもしれない。

 

実際のところ、日本とラオスという環境の違いは、

生活観や価値観、仕事観に大きく影響するのは間違いないだろう。

(※どっちが正しい、と言うつもりはないことを先に断っておく。)

 

「何を正とするか」はその人の選択次第。

 

とはいえ、自分が「提供側」になるか「受け手側」になるかが、

周囲の環境によって変わってしまうように思った。

 

例えば、ラオスの子どもたちは、結構ゲーム好き(主に携帯ゲーム)。

日本人にもゲーム好きは多いと思うし、自分が小学生の時にも多かった。

そうした子の中には、「将来、自分でゲームを作りたい」って子も少なくなかった。

しかし、ゲーム好きのラオっ子の中には、そう言う子を見たことがない。

(あくまで「将来の夢」なので、容易に変わることはもちろんあるのだが。)

 

つまりは、「自分が提供側になる」って発想がそもそもないのかもしれない。

もっと言うと、「受け手側になることしか考えられない」のかも。

(自分の身のまわり、普段の生活で関わりのあることが、自分の提供圏内ってこと。)

 

例えば、前の話を引き継ぐと、「自分でゲームを作りたい」と思ってる子どもが、夢そのままで成長したとする。

日本人がゲームを作りたいと思えば、会社に属しても個人であっても、そのための環境はわりと整いやすいだろう。

今の時代、ネットやyou tubeで検索すれば、日本人が日本語で丁寧に説明してる画像や動画を見ることも簡単だ。

日本の子どもが「自分でゲームを作りたい」と考えられるのも、それは周りにそういった環境や人物がいるからとも言えよう。

 

しかし、ラオ人がラオ語で検索してもヒットする内容は、日本語のようにはいかない(ハロウィンの記事でも書いたように)。

日本のように会社がいっぱいあるわけでもなく、作り方がわかる人もどれだけいるかわからない。

(実際、ラオス産のゲームがあるのかもわからない...)

 

ここで言いたいのは、環境の違いが生む影響によって、

・自分が将来就き得る仕事を、自分の生活に沿ったことへと、必然的に変えてしまう

・ほんとはやりたいけどアプローチができずにいる

という子どもたちがいるとしたら、それはもったいないということ。

(「もったいない」が適切かはわからないが、「夢になり得る好奇心・可能性の芽が摘まれてる」という意味で。)

 

そんな思いも込めつつ、「職業体験」の企画に至った次第。

 

今回はラオスの伝統工芸「天然染色」体験を実施する。

これはこれで素晴らしい経験になると思うし、自分の国の誇るべき技術を身近に触れる機会にもなる。

 

だが、もっとラオ人に馴染みのない仕事を体験させてあげたい、と思っているのも事実。

しかし、実際に子どもたちに提供できる体験にも限度がある。

そこで、少なくとも「こんな仕事もあるよ」という紹介から、興味を持ってもらうということも、はじめの一歩になると思っている。

 

(偉そうなことを言ってきたかもしれないが、)

今後、どんなことができるかは、まだまだ模索中である。

~~~

 

そんなこんなありつつ、

今回の「職業紹介」では、子どもたちが「仕事・夢」について、多少なりとも考える機会になったと思う。

 

つぎはようやく、本題の「職業体験」、こうご期待!!

写真も多めなので、ぜひ見てってください!!

(前回・今回は少なめですんません...) 

 

 

そろそろこの辺で。

ではまた!!