ボリすけの協力隊活動 in ラオス

現役の協力隊員がリアルな活動を紹介

手洗い・ごみ問題イベント with エコヘルス隊員

どうも、ボリすけです!!

 

勢いでブログをはじめることにした令和2年の幕開け。

現役の協力隊員が、現地でのリアルな活動をバンバン紹介していきます。

f:id:bolisuke:20200112044735j:plain

 

今回は2019年9月に実施した、「手洗い・ごみ問題イベント」編!

 

 

ごみのポイ捨て問題

 

かねてより気になってたことが、いよいよ本格的なイベントに。

 

そもそもの問題として、

ラオ人の中には、ごみのポイ捨てが常習化している人が多い。

それは子どもも然り。

 

・なにかを食べ終わった後のトレー、カップ、割りばし

・なにかを飲み終わった後のペットボトル、容器、ストロー

などを中心に、プラスチックでも紙でも関係ない。

 

いらないものはその場でポイ。

f:id:bolisuke:20200125010154j:plain

中学校の敷地内にポイ捨てされたごみ

よく言われる理由として、

「ポイ捨て=文化(習慣)」も一理あるかと思う。

 

その理屈はこう。

食べ物 → 家畜や動物のえさになったり、肥料になったり。

果物などの種 → 自然に芽が出て食物を実らせたり。

 

昔はプラスチックなどの自然が分解しないものは少なく、

むしろ「ポイ捨て」によって生活がうまく回っていたのかもしれない。

 

しかし時代が変わって、主に「プラスチック」が至る所で使われるように。

「それはポイ捨てしてもいいことないでー!」

 

とはいえ、今までの習慣を一朝一夕で改めるのは無理ですね。

 

でも実際、道を歩けばごみに当たる、って状態。

やっぱり、ポイ捨てはよくない(少なくともプラスチック系)...

だから、子どものうちからポイ捨てに対する意識を変えてほしい。

 

「そもそも、なんでポイ捨てが常習化してるんだろう?」

 

そこでちょっと考えてみた。

・自分の親も友だちもポイ捨てをする(誰にも注意されない)

・ポイ捨てされた環境に慣れている

・学校では掃除の時間もごみ拾いの授業などもない

ラオスの学校では、校舎内で食べ物などを売っているため、ごみが出やすい

・町中にごみ箱がない

 

こうした環境が「ポイ捨て」の常習化につながってるのかもね。

 

~ちょっと余談~

ごみ問題については、

ビエンチャンのごみ処理場見学」編

もつくろうかと思ってます、

詳しくはそのときに書こうかな。

~~~

 

まぁ、そんなこんなで、

「ごみ問題(ポイ捨て)についてのイベントもやりたいなぁ...」

ってかねてより思ってた次第。

 

そこでせっかくなら、

「同期にエコヘルス隊員がいるじゃんか。一緒にイベントできないか!?」

って相談してみたら、即決。

ノリが良くて素晴らしい!

~~~

「エコヘルス」が初耳かと思うんで、簡単に説明すると、

環境などの変化が健康に与える影響について、などを研究するみたい。

~~~

同期の提案で、

「ごみ問題」にくわえて、「手洗い」についても実施することに。

 

相談の結果、内容はこんな感じに決定。

 

午前:手洗い指導

  1. バーンコンコイ(ラオスの教育番組)で「手洗いの回」を視聴
  2. 手洗いがなぜ大切か?
  3. イソジンを使った汚れの実験
  4. 正しい手の洗い方 7ステップ

午後:ごみ問題

  1. ごみが健康や環境に与える影響
  2. ごみの減らし方(3R)
  3. ごみの種類と分別の紹介
  4. ごみ拾い(CCCとその周辺)

 

パワポは同期がつくってくれたから、

こっちの事前準備としては、

パワポの内容、当日の流れをスタッフと共有

・実験で使う石けんとバケツを準備

くらいでオッケー。ありがたい!!

 

同期のエコヘルス隊員が来てくれました!

 

さぁ前日、遠路はるばるボリカムまで来てくれました。

 

・同期の任地:サワンナケート県(中部)

・バス代:片道 75,000キープ(900円くらい)

・所要:約8時間(朝の6時に出て14時に着くくらい)

 

まじでご苦労様です。

 

お疲れのところ悪いけど、さっそくCCCへ向かって打ち合わせ。

とはいっても、基本的には事前にすませてあったんで、

うちのスタッフとあいさつがてら雑談したり、材料とか流れとかを再確認したり。

 

「手洗いについては、昼ご飯を食べる前の、午前にやった方がいいね。」

「ごみ問題については、ポイ捨てが目立ちはじめる、午後にやろう。」

 

なので、当日は2部構成にすることに。

午前:手洗い

午後:ごみ問題

 

「あと、もしかしたら明日の午後、局の人が来るかもしれない...」

って、スタッフが言ってた。

 

まぁ、当日にならないと予定が決定しないのは、ラオ人あるある...

来たらそのときに考えればいいか。

 

当日の様子(午前:手洗い)

 

例によって、子どもたちは8:30くらいからばらばらと集まりはじめる。

割と多めの60人くらいが集まったところで、

9:30からスタート。

 

はじめはもちろん、同期の自己紹介から。

「サワンナケートから来ました、ボリすけの同期です。

 今日は、手洗いとごみ問題について、しっかり学んでいきましょう!」

 

  1. バーンコンコイ(ラオスの教育番組)で「手洗いの回」を視聴

 

ラオスの教育番組といったら「バーンコンコイ」一択。

もちろんラオ語だし、子どもたちもみんな知ってるからうけもいい!

 

実際に見たのがこれ(興味があったらどうぞ)。

"My Village" We Love Sanitation

https://www.youtube.com/watch?v=nleOjY_zkzY&t=717s 

 

この回の内容は、「手洗い」について完璧なくらい紹介してるからありがたい。

これから紹介する内容を網羅してる。

全15分をしっかり視聴。

f:id:bolisuke:20200125010016j:plain

  1. 手洗いがなぜ大切か?

 

つぎに、手洗いの重要性をストーリー仕立てで紹介。

 

はじめに、

・男の子と女の子が、外で仲良く遊んでいました

 

家に帰ると、

・女の子は、石けんでしっかり手を洗いました

・男の子は、自分の手は汚れてないと思って手を洗いませんでした

 

そして2人はご飯を食べると、

・男の子だけ、おなかが痛くなってしまいました

 

男「手はきれいだったのに、なんでだろう?」

女「ばい菌は、目に見えないんだよ。

 手を洗わないと、そのばい菌が体の中に入って、おなかが痛くなるんだよ。」

 

・すると、それからは男の子も、忘れずに手を洗うようになりましたとさ

 

「みんなも忘れずに手を洗おうね!

 でもどんな時に洗えばいいんだろう?」

・外で遊んだ後

・ご飯を食べる前

・トイレに行った後

「病気にならないように、しっかり手を洗おう!!」

 

  1. イソジンを使った汚れの実験

 

つづいては、でんぷんのりとイソジンを使った、汚れを見せる実験。

ヨウ素でんぷん反応ってなつかしい...)

 

これには、子どもたちから4人のボランティアを募って実施。

f:id:bolisuke:20200125010021j:plain

 

はじめに、

・でんぷんのりを汚れに見たてて、手に付けていく

イソジンをかけると、色が青紫に変わる(→汚れてるってこと)

・水だけで洗ってみる

イソジンをかけると、まだ青紫が残ってる(→まだ汚れてるってこと)

・石けんを使って洗ってみる

イソジンをかけると、もう色は変わらない(→きれいになったね!)

ってこと。

 

割と単純な実験だけど、なんだかんだで盛り上がる!

子どもたちはみんな純粋だね!!

f:id:bolisuke:20200125010128j:plain

  1. 正しい手の洗い方 7ステップ

 

実験で「石けんを使った手洗いが大事」ってことがわかったところで、

最後に正しい手洗いを実践。

 

「7ステップもあるんだねー。

 ひとつずつみんなで確認していこうー。」

 

実際に、みんなで両手を上に挙げてやってみる。

それぞれのステップは、ちょっと細かいかもだけど、

体を動かしてみることも大事。

f:id:bolisuke:20200125010110j:plain

 

こんなところで、「手洗い」終了。

所要、約1時間ちょい。

 

そして、ちょうど終わったくらいのタイミングで、

スタッフから連絡。

 

「午後に局の人が来ることになったよー。」

 

そういうことで、午後の時間が少し足りないかも。

それなら、「手洗い」が思ったより早く終わったから、

「ごみ問題」のスライド発表だけ午前中にやってしまうことに。

 

ということで、つぎは「ごみ問題」について。

 

当日の様子(午前~午後:ごみ問題)

 

ちょっとした予定変更はあったものの、特に問題なし。

「ごみ問題」スタート。

 

  1. ごみが健康や環境に与える影響

 

まずは、問いかけをからめてアイスブレイク。

 

「ごみにはどんなものがあるかな?」

→紙、生ごみ、プラスチック...

「ごみはどんなところで見るかな?」

→学校、家、道...

「ごみがあると、どんなことが起きるかな?」

→見た目がよくない、汚い臭い、環境に良くない...

 

これによって、ごみについての再確認。

 

  1. ごみの減らし方(3R)

 

「それじゃあ、ごみはどうやって減らすことができるだろう?

 みんなは 3R ってことば聞いたことある?」

・Reduce(ごみを出さないようにすること)

・Reuse(再利用すること)

・Recycle(新しいものの原料にすること)

 

「でも、ごみってどうやって分別すればいいんだろう?」

 

  1. ごみの種類と分別の紹介

 

「ごみには主に3種類あるんだよ。」

・燃やせるごみ

・プラスチック

・ペットボトル・缶

「それに加えて、電池とか電球とか、危険物もあるね。」

 

~余談~

ちなみに、ボリカムサイ県のごみ収集は週1回、分別回収なし。

~~~

 

 こんなところで、発表は終了。

所要、40分くらい。

 

「ごみ問題」は、3Rとか分別とかに馴染みがないから、

とっつきにくかったかも。

でも、だからこそ知っておくのは大事かも!?

 

  1. 昼休憩

 

午前中で「手洗い」が終了、「ごみ問題」の発表も終了。

 

さぁ、お昼ご飯。

「みんな忘れずに手を洗うかな?」

 

見たところ、だいたい半分くらい(30人/全60人)が洗ってた感じ。

それにみんな、ちゃんと石けんを使ってたのが素晴らしい。

 

「やっぱり全員が一気にとはいかないか。

 でも今までは、ご飯前に手を洗う子をほぼ見たことなかったから、上々かな。

 この意識が続いてくれればいいんだけどね。」

f:id:bolisuke:20200125010049j:plain

 

 5. ごみ拾い(CCCとその周辺)

 

ご飯を食べて、局の人は1時間くらい滞在、

最後に活動の締め「ごみ拾い」。

2時半からスタート。

 

はじめに段ボールを3種類スタンバイ。

・燃やせるごみ

・プラスチック

・ペットボトル・缶

f:id:bolisuke:20200125010033j:plain

 

みんなで段ボールを運びながら、拾ったごみを入れていく感じ。

CCCの敷地内を一周して、せっかくだから外も一周。

 

f:id:bolisuke:20200125010117j:plain
f:id:bolisuke:20200125010028j:plain


みんなまじめに取り組んでくれる、のは最初だけ。

だんだん飽きてきて、ただ一緒に歩いてるだけの子もちらほら。

 

「やっぱり全員が一気にとはいかないか。

 でも今までは、進んでごみ拾いする子を全く見たことなかったから、上々かな。

 この意識が続いてくれればいいんだけどね。」

 

f:id:bolisuke:20200125010105j:plain
f:id:bolisuke:20200125010123j:plain

 

ごみの種類としては、圧倒的にプラスチックが多い。

飲み物のカップとか、お菓子の袋とか、ペットボトルとか。

少しずつでも減っていくことを期待したくなるごみ拾いになった。

 

子どもたちにちょっと聞いてみたんだけど、

「ごみがなくなると、きれいになって気持ちいいね!」

って感覚は、いまいちないみたい...

 

ようやく1日が終了。

おつかれさん。

 

翌日、同期はバスでサワンナケートに帰って行きましたとさ。

ありがとう。ぜひまた1年後に来て、今日との変化を感じてくれ!!

 

f:id:bolisuke:20200125010217j:plain

局の人との集合写真



そろそろこの辺で。

ではまた!!