第3回原爆展 in ボリカムCCC
どうも、ボリすけです!!
勢いでブログをはじめることにした令和2年の幕開け。
現役の協力隊員が、現地でのリアルな活動をバンバン紹介していきます。
今回は2019年9月に実施した、「原爆展」編!
原爆展ってなに?
はじめに、聞き覚えある方ない方いらっしゃるかと思うんで、
「原爆展とはなんぞや!?」について簡単な説明から。
原爆展っていうのは、
主にJICAボランティアが実施している、
「原爆について世界の人たちに知ってもらおう!」
っていう活動です。
そもそものはじまりは、
2004年に広島県出身の協力隊4人が、
任国のニカラグアで「第1回原爆展」を開催。
それから世界の途上国で活動するJICAボランティアに広まっていき、
有志によって開催するイベントとして定着してきました。
現在では60か国で120回以上の実績があるとのこと。
くわしい説明はここでは割愛するので、
ご興味があれば、JICAホームページへどうぞ。
~JICAボランティアの「原爆展」とは~
https://www.jica.go.jp/chugoku/enterprise/volunteer/genbaku/about.html
実は4月にも。
ぼくがこの原爆展っていうイベントをはじめて知ったのは、
「原爆展とは、JICAボランティアの有志によって開催しているイベントです。」
「広島・長崎の原爆の歴史を世界に発信していきましょう!」
みたいな説明があった気がする。
そのときは正直、
「へぇー、そうなんだ。」くらいにしか考えてなくて、
自分が任地で開催にかかわるなんて思ってなかった...
それから数か月。
2019年1月末にラオスに派遣されて、その3月末、
先輩隊員から、ラオスで「第2回原爆展」を開催する旨のメールが届く。
4月末、首都にあるビエンチャン高校にて。
当日スタッフ募集のお知らせ。
ちなみに、
ラオスにおける原爆展の第1回は2018年の9月で、
発起人は同じくこの先輩。
「おもしろそうだなぁー。うちのCCCでも還元できそう。」
ってことで、配属先には休みをもらって、参加してきました。
集まったのは全8人で、プログラムはこんな感じ。
- 当日あいさつ
- アイスブレイク(色んなイラストを見せて平和だと思うか考える)
- 原爆の基本情報、ラオスの不発弾情報、折り鶴の説明、等
- 生徒による『おりづるの旅』朗読
- 折り鶴作り
- 絵馬の説明、平和について絵馬への記入
事前準備としては、
・会場(ビエンチャン高校)とのやり取り
・イベント資料の作成
・必要機材や道具の調達
などなど。
この先輩に、なにからなにまで主導していただき、
何事も円滑に進めることができました。
そして、イベントの進め方や注意点、
加えてぼく自身も、原爆についての知識や平和についての考えを、
深めることができました。
その節はほんとにお世話になりました!!
といったところで、
そろそろCCCでの第3回原爆展をご紹介。
当日の様子(ラオス第3回 原爆展)
今回もとりあえずスタッフに相談してみると、
「やろう、やろう。」で即決。
内容は前回と同じものを共有してもらい、
それを使わせていただくことに。
- 当日あいさつ
- アイスブレイク(色んなイラストを見せて平和だと思うか考える)
- 原爆の基本情報、ラオスの不発弾情報、折り鶴の説明、等
- スタッフによる『おりづるの旅』朗読
- 折り鶴作り
- 平和について絵馬への記入
さぁ、当日。
子どもたちは50数人。
午前中にスタート!
- 当日あいさつ
はじめのあいさつでは、ぼくが日本人として、
今回CCCで「原爆展」を実施する目的について説明。
「みんなは原爆ってことば聞いたことある?
今日は、世界で唯一の原爆被爆国である、日本の歴史について勉強します。
そして、ラオスにも戦争による被害として不発弾の問題があるよね。
ちょっと難しいかもだけど、
今日はみんなに「平和」ってなんだろう、って考えてもらいます。」
- アイスブレイク
つづいて、色んなイラストを見せていく。
・食べ物がなくて苦しんでる人
・友だちと楽しそうに遊んでいる子どもたち
・水鉄砲で遊ぶ子ども、鉄砲を持って戦う大人
「これって平和だと思う?なんで??」
みんなに問いかけたり、個人に聞いてみたり。
「楽しそうだから、平和。」
「爆弾とかは平和じゃない。」
まずは「平和ってどんなイメージか」ってことをみんなで確認。
- 原爆の基本情報、ラオスの不発弾情報
つぎに原爆の歴史、ラオスの不発弾について。
とっつきやすいようにクイズ多め。
「原爆が落とされたのは、日本のどこらへんだろう?」
「どんな被害があったんだろう?」
→熱線、熱風、放射能など
「何人くらいの人が原爆で亡くなったんだろう?」
→21万人以上
それから、
・現在の復興をとげた広島、長崎の写真
・原爆の日、式典の様子
・原爆を経験した方たちの高齢化
を簡単に説明。
「日本にはこんな戦争の歴史があるんだよ。」
「それじゃあ、ラオスはどうかな?」
という流れで、つづいてラオスの不発弾問題について。
ラオスの歴史を話すうえで欠かせないのが、
「ベトナム戦争(1964~1973年)」ではないかと思います。
ラオスが多大な被害を受けることに。
~ちょっと補足情報~
「1人当たりの空爆の数が世界で最も多い国」と言われています。
・空爆回数:約58万回
・空爆期間:9年間(およそ8分に1回)
・爆弾投下量:200万トン超
・1人当たりの爆弾:1トン
不発弾の問題:
・人的被害
→気付かずに踏んでしまったり、子どもがボールみたいに遊んでしまうことによる。
・土地開発のリスク
→危険地域でのインフラ整備や農業活動などが必然的に制限されてしまう。
処理活動:
ミッション:
「不発弾のリスクを最大限減らし、国民が安心して利用できる土地を広げたい。」
~~~
ラオスには、いまだに膨大な数の不発弾があるという事実。
「戦争をしていないから平和、っていう考えでいいのかな?」
「まずは歴史についての正しい知識をつけて、
どうしたら平和な生活をつづけられるかを考えていこうね!」
つぎに、日本人にとって「折り鶴」の意味について。
「平和の象徴、幸福祈願、いろんな意味が込められているんだよ。」
「千羽折ったものをつなげて「千羽鶴」にすることもあるんだよ。」
そんなところで、
ようやくイントロダクション終了。
つづいては、折り鶴についての物語を聞いてみよう。
- スタッフによる『おりづるの旅』朗読
『おりづるの旅』は、原爆症によって亡くなってしまった佐々木禎子さんのお話。
第1回原爆展の開催にむけて、
すばらしい。ありがたく使わせていただきます。
第2回のビエンチャン高校では、事前に生徒に練習しておいてもらい、
当日も生徒による朗読としていました。
が、CCCでは、プロジェクターに絵本のページを映しながら、
スタッフによる朗読としました。
しっかり聞き入ってくれる子どもたち。
「なにを思うかな。」
それを最後に、絵馬に書いてもらう作戦。
- 折り鶴作り
CCCの子どもたちは、折り紙好きな子も多い。
折り方としては難しい方だと思うんだが、
鶴の折り方を覚えている子もちらほら。
でも、やっぱり自力じゃできない子も多いので、
ちょこちょこ手伝いながら、みんな完成。
- 平和について絵馬への記入
ようやっと、最後のプログラム。
まずは簡単に説明
「絵馬とは何ぞや!?」
「お願いごとを書いてお祈りするんだよ。」
それから、ひとりずつ絵馬を模した紙を配って、
「平和について」のお願いごとを書いてもらう。
今日のイベントを通して、学んだこと、感じたこと、考えたこと、
『おりづるの旅』の話を聞いて、どんな気持ちになったか、など。
・この世界に戦争がなくなりますように
・ラオスと日本が仲良くいれますように
・家族が幸せに暮らしていけますように
・この町にほこりがなくなりますように(!?)
みんながそんな風に思ってくれることが、
平和な生活をつくるんだよー!!
最後に記念写真でおしまい。
所要、2時間くらい。
~工夫したとかなってとこ~
・適度に質問を投げかけて、その都度2-3人に答えてもらうことで、意見の共有や子どもたちに考える主体性を持たせた
・事前にスタッフと、細かい流れやイベントの趣旨、子どもたちに考えてほしいことなどを共有しておくことで、スムーズな実施に繋がった
・原爆の歴史として日本人が伝えるべき箇所、ラオ人スタッフが伝わりやすいラオ語で説明する方がよい箇所を分担し、内容に説得力を持たせた
~少し所感~
---以下、JICAホームページ「JICAボランティアの「原爆展」とは」より引用---
JICAボランティアが活動する、開発途上国の多くは、過去に内戦や紛争の歴史を抱えています。大切なことは、その国の歴史に寄り添いながら、ヒロシマ・ナガサキを伝え、お互いの歴史を共有すること。現地の人と同じ生活をし、同じものを食べ、同じ目線で活動するJICAボランティアが伝えるヒロシマ・ナガサキだからこそ、現地の人たちはより身近に感じてくれるのかもしれません。
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その通りだと思う。
子ども文化センターに通う子どもたちにとって、
戦争や平和について考える機会はほとんどないのが現状。
今回のイベントでは、
・日本(主に広島と長崎)が経験してきた平和への強い願い、
・ラオスにも残る不発弾問題
・同年代の子どもが原爆による病気で亡くなってしまった物語
などを紹介した。
そして、絵馬には各々が思う「平和」について書かれていた。
難しい問題だからこそ、「考える機会を持つこと」が重要であると感じるイベントであった。
現在、平和な日常を過ごすことができているのは、
もちろんすばらしく、かけがえのないことだ。
だがそれを「当たり前」と思うのではなく、
それが当たり前でなかった時代について振り返ることでこそ、
自分たちが戦争や爆弾におびえる必要のない日々を、
享受することができるのだと感じてほしいなぁ。
さらに実は、
12月にも第5回原爆展をラオス国立大学にあるLJI(ラオス・日本センター)で開催。
けど、それはまたの記事に。
そろそろこの辺で。
ではまた!!